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【全国学力テスト】英語「話す」正答率12.4%…2023年度結果公表01/08/2023

文部科学省は2023年7月31日、2023年度(令和5年度)全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。今回公表されたのは、2023年4月18日に行われた全国学力テストの結果で、小学6年生と中学3年生を対象に国語、算数・数学、英語(中学校のみ)の教科に関する調査と質問紙調査で実施されたもの。集計対象となった児童生徒数と学校数は、小学校が103万9,445人・1万8,821校、中学校が107万5,582人・9,702校。質問紙調査では、約80万人の児童生徒と全学校にオンライン形式を導入した。

 

調査結果によると、教科に関する調査の全国(国公私立)の平均正答率は、小学校の国語が67.4%(前年度65.8%)、算数が62.7%(前年度63.3%)。中学校の国語が70.1%(前年度69.3%)、数学が51.4%(前年度52.0%)。小学校・中学校ともに国語が前回より上昇し、算数・数学が下降した。

 

中学校で4年ぶり2回目となった英語(聞く・読む・書く技能の合計を集計)の平均正答率は46.1%。前回実施した2019年度(平成31年度)の56.5%と比較すると、10.4ポイント低下した。4技能別にみると、「聞く」58.9%、「読む」51.7%、「書く」24.1%、「話す」12.4%。日常的な話題について、短い情報を正確に聞き取ったり、事実と考えを区別して読んだりすることはできている一方、文章の概要をとらえたり、社会的な話題について自分の考えや理由を表現することに課題がみられた。

 

全国学力テスト2023教科に関する調査結果概要

 

【中学校英語 結果(技能別)】

全国学力テスト2023中学校英語_分類・区分別集計結果

 

全国学力テストでは、国際学力調査も参考に「家にある本の冊数」を家庭の社会経済的背景(SES: Socio-Economic Status)の代替指標に用いている。質問紙調査によると、SESが低い生徒ほど、英語の正答率が低い傾向がみられた。その一方で、言語活動に取り組んだ生徒は、SESが低い状況にあっても英語の正答率が高い傾向がみられたという。なお、外国語科における言語活動とは、実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝えあうなどの活動を指している。

 

このほか、「英語の勉強は好きか」という問いに肯定的に回答する割合は、小学生69.2%、中学生52.3%。中学生のほうが16.9ポイント少なかった。中学生の英語の平均正答率は、「英語の授業の内容はよくわかる」「英語の勉強は好き」「将来、積極的に英語を使うような生活をしたり職業に就いたりしたい」と回答した中学生のほうが高い傾向にあった。また、言語活動に取り組んでいたと受け止めている中学生ほど、「英語の授業の内容はよくわかる」「英語の勉強は好き」と回答している傾向もみられた。

 

全国学力テストの結果は国立教育政策研究所のWebサイトに掲載しており、都道府県や指定都市の結果なども公開している。

 

「令和5年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料」(国立教育政策研究所)