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中学校の部活動、文化部活動の地域移行を休日から推進15/08/2022
文化庁の有識者会議「文化部活動の地域移行に関する検討会議」は2022年8月9日、公立中学校の文化部活動が目指す姿を提言にまとめた。2023年度(令和5年度)から休日の文化部活動を段階的に地域移行し、達成時期のめどを3年後の2025年度(令和7年度)末までと提言している。
提言は、公立中学校等(義務教育学校後期課程、中等教育学校前期課程、特別支援学校中学部を含む)の吹奏楽・合唱・美術・工芸・演劇・自然科学・パソコン等の文化部活動を対象に「文化部活動の地域移行に関する検討会議」が取りまとめたもの。
運動部活動と同様、文化部活動は少子化や教師の業務負担等を背景に部活動の適正化に向けた改善方策、地域との連携・協働や地域への移行の方向性が示されていた。文化庁は2022年2月に「文化部活動の地域移行に関する検討会議」を設置。文化部活動を取り巻く現状と改革の方向性を整理し、地域移行を円滑に進めていくうえで解決すべき課題と改善に向けた方策について検討を重ね、現段階で整理した方向性を提言として取りまとめた。
具体的には、2023年度から休日の文化部活動の段階的な地域移行を開始。3年後の2025年度末を達成の目標時期のめどとする。国は、この目標時期を踏まえてガイドラインを2022年度早期に改訂。休日の文化部活動の段階的な地域移行を開始する2023年度から3年間を文化部活動の改革集中期間と位置づけ、全都道府県で具体的な取組みやスケジュール等を定めた推定計画を策定し、それをもとに各市町村も推進計画を策定するのが適当だとした。
提言では、2022年度の取組例に「生徒・保護者のニーズや教師の意向をアンケート等で把握する等、今後のふさわしい活動内容について検討する」、2023年度の取組例に「地域の実情に適した地域移行の取組を開始する」、2024年度以降の取組例に「地域における文化芸術等に親しむ環境の整備充実を本格的に進め、生徒にふさわしい活動を着実に増加させていく」等をあげている。
文化部活動の地域移行の「受け皿」には、地域の文化芸術団体や民間教室、芸術系大学、それらの団体に所属している会員等が外部指導者となること等を想定。現在、学校の文化部活動の指導を担っている教師のうち、地域での指導を希望する者に対しては、引き続き地域で指導を担えるようにしていく必要性も指摘している。
指導者の質・量の確保、文化施設の確保、大会・コンクールや会費のあり方等についても現状と課題、求められる対応をまとめている。
なお、提言は公立の中学校等における文化部活動を対象としているが、国立の中学校等においても学校等の実情に応じて積極的に取り組むことを望みたいとし、国公立の高等学校等(中等教育学校後期課程および特別支援学校高等部を含む)には学校等の実情に応じて文化部活動の改善に取り組むことを望みたいと記載。私立学校については、これらの取組みも参考にしながら、学校等の実情に応じて適切な指導体制の構築に取り組むことを望みたいとしている。