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論文数TOPは中国、日本は過去最低ランク…科学技術指標2023・科学研究のベンチマーキング202316/08/2023

文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、「科学技術指標2023」および「科学研究のベンチマーキング2023」を取りまとめ、2023年8月8日に公表した。

 

日本の論文数は過去最低ランクとなることが明らかとなった。

NISTEPは、科学技術や学術振興に関する基礎的な事項を調査・研究する国立の試験研究機関。今回、日本および主要国の科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に分析した「科学技術指標2023」と、科学研究活動のおもな成果公表媒体である論文に着目し、多面的に分析した「科学研究のベンチマーキング2023」を公表した。

 

「科学技術指標2023」によると、日本の産学官をあわせた研究開発費、研究者数は主要国(日米独仏英中韓の7か国)中で第3位。産学共著論文の日本の企業部門の論文数に占める割合は、1982年時点の23%から、2020年時点の72%まで大きく増加している。また、日本のパテントファミリー(2か国以上への特許出願)数は世界1位、ミディアムハイテクノロジー産業貿易収支比においても、主要国の中で1位と相対的に高い評価となった。

 

一方で、「科学研究のベンチマーキング2023」によると、日本の論文数(分数カウント法)の順位は、2006年に3位、2014年に4位、2019年に5位となり、Top10%・Top1%補正論文数をみると、2000年代半ばから順位が低下。今回の日本の論文数(分数カウント法)は世界5位、Top10%・Top1%補正論文数は13位・12位となり、初めて韓国に抜かれた。中国はすべての論文種別で米国を抑え、世界1位となっているが、自国からの被引用の影響も大きいことが確認されており、論文の注目度についても多様な観点でみる必要性が増しているという。

 

「科学技術指標」は毎年公表。科学技術活動を「研究開発費」「研究開発人材」「高等教育と科学技術人材」「研究開発のアウトプット」「科学技術とイノベーション」の5つのカテゴリーに分類し、約170の指標で日本と主要国の状況を表している。「科学研究のベンチマーキング」は、個別指標と複合指標から主要国の詳細な論文分析を行い、2年ごとに公表している。両調査結果は、科学技術・学術政策研究所のWebサイト「NISTEPライブラリ」で閲覧できる。

 

「科学技術・学術政策研究所『科学技術指標2023』及び『科学研究のベンチマーキング2023』の公表について」(文部科学省)