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「奨学金実態調査2023」学生・保護者の7割、もらえる奨学金が多数ある事実知らず10/11/2023
国内最大の奨学金プラットフォーム「ガクシー」と「ガクシーAgent」を運営する株式会社ガクシーは、全国の学生と保護者を対象に奨学金への意識と利用に対する実態を調査した「奨学金に関する実態調査2023」の内容を公表した。
「奨学金に関する実態調査2023年」の一般調査は、2023年8月29日から9月5日にかけて、全国の18歳から69歳の男女を対象にインターネットで実施した。有効回答数は、1,100名(学生500名、学生の子をもつ保護者500名)。ガクシー会員調査は、2023年9月1日から30日にかけて、全国の18歳から69歳の男女を対象に実施。有効回答数は、男女503名(学生162名、学生の子をもつ保護者341名)。
奨学金を受給している一般の学生・保護者の中で、受け取った奨学金の内訳を見ると、約8割が貸与型で3割が給付型であり、JASSO(独立行政法人日本学生支援機構)による奨学金がもっとも多く全体の約6割となった。その中でも、「JASSO貸与奨学金」51.2%が最多で、ついで「JASSO給付奨学金」20.6%となった。一方、「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」を受け取ったのはわずか6.5%。奨学金受給者の多くが、将来返還が必要な貸与奨学金を受け取っており、民間奨学金団体からのもらえる給付奨学金への可能性がまだ十分に活用されていないことがうかがえる。
奨学金に対する印象は「借金なので怖い」48.4%と恐怖心をもつ学生・保護者が約半数を占めた。一方で「家計の負担を軽減できて嬉しい」27.8%、「進学できる可能性が生まれ、嬉しい」18.0%という奨学金のメリットに対するポジティブな回答も見られた。近年の「奨学金の返済苦」などの報道の影響もあり、恩恵よりも貸与奨学金の返還に苦労するイメージや、申請が複雑で難しいというネガティブな印象が強く、奨学金への偏った印象が浮き彫りになった。また、奨学金を受け取っていない学生の中で「借金なので、怖い」と回答したのは70.8%であり、受け取っている学生の28.8%と比較し高いことから、これらのネガティブなイメージが、奨学金を受け取っていない原因としても考えられ、奨学金受給・活用へのハードルになっている可能性も明らかになった。
奨学金の知識として、奨学金の種類は現在約1万6000件以上あり、借りるだけではなくもらえる奨学金も多数あることを認識しているのは全体の約3割に留まった。多くの学生・保護者が、「給付奨学金自体は知っていたが、その種類が多数あることは知らなかった」32.8%、「自分や自分の子供は対象にならないと思っていた」21.4%と回答。また、給付奨学金が多数あることを知らず、「奨学金は借りるものだと思っていた」との回答は全体で16.5%だが、その内の8割以上が奨学金を受給していない学生だった。
奨学金を申請または検討したきっかけの1位は「先生・学校からの紹介」40.6%、2位「学校開催の説明会」32.7%、3位「学校で配布・掲示された資料」28.3%となった。奨学金の情報を得るほとんどが学校や教師・職員から提供された機会であり、アナログな情報源であることがわかった。SNSや情報サイトなどインターネットからの情報源は約1割にとどまり、奨学金情報・申請のデジタル化の遅れや、奨学金に対するネガティブな印象から、インターネットで自分から情報を得ようとする学生・保護者が少ない現状が推察される。
今回の調査で、給付奨学金を受給した学生・保護者の中で「SNSや情報サイトなどインターネットからの情報」を活用したのは9.9%であったのに対し、ガクシーユーザーは37.8%となった。ガクシーユーザーにおける「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」受給状況は29.6%と、一般の学生・保護者の6.5%に比べて約5倍高い結果となった。また、給付奨学金に対する理解としては、ガクシーユーザーは一般の学生・保護者に比べて貸与奨学金のほかに給付奨学金が多数あることを理解し、「奨学金は借りるものだと思っていた」という誤った認識をもつ層は、一般16.5%に対し、ガクシーユーザーは2.2%と少ない結果になった。
インターネットによる奨学金情報を活用することは、奨学金の正しい知識・理解を得るために有効であり、民間の給付奨学金受給への可能性を高めることができると考えられる。