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理系教科への「苦手意識」は文理選択に大きな影響25/12/2023
スタディプラスのStudyplusトレンド研究所は、「文理選択と学部・学問の系統についての調査」の結果を2023年12月20日に公開した。文系・理系ともに教科の苦手意識は小中学生で大きく形成される傾向が明らかになった。
Studyplusトレンド研究所は2023年6月~7月にかけて、山田進太郎D&I財団と共同で「文理選択に関するアンケート調査」を実施し、「理系科目への苦手意識が、文理選択に大きな影響」「教員が生徒により良いサポートを提供できる可能性がある」といった結果を得ている。
(詳細:https://www.trend-lab.studyplus.jp/post/20230824)
その結果を踏まえ、同調査では、教科への苦手意識・得意意識が形成される時期・理由に着目し、生徒がより良い文理選択をするための指導のヒント、大学の理系分野における生徒募集にあたってのヒントを探った。
調査は、2023年11月10日から11月13日にかけて学習管理アプリ「Studyplus」上で全国の高校生・浪人生・大学1~2年生を対象にインターネットで実施。有効回答数は5,150名。
調査結果によると、文理選択の理由として、理系は「文系に対する後ろ向きな理由」が10.2%であるのに対して、文系は「理系に対する後ろ向きな理由」が36.0%となった。回答理由をジャンル付けすると、文系は「理系の勉強が苦手」37.4%が最多。理系の「文系の勉強が苦手」10.6%を大きく上回る結果となった。
教科への苦手意識は、英語・国語・社会・数学は、約7割が小中学生時点で苦手を自覚。英語は特に半数以上が中学生のタイミングで苦手意識を持つことがわかった。英語、理系科目は高校1年生で苦手を自覚する割合も高く、理科は4割以上・数学は2割以上が高校生になってから苦手を自覚している。
苦手・嫌いな理由としては、英語・国語は「難しい・できないから」の回答が目立ち、英語・社会は「暗記が苦手」、国語は「答えが曖昧」の回答率が高い結果となった。理系科目は、文系科目以上に「難しい・できないから」の回答率が高く、半数近い割合。数学は「計算が苦手」も多く見られる結果となった。特に、数学は小中学生で「計算」に躓き、できない体験が積み重なり苦手になる傾向、理科は高校で細分化された「化学」「物理」につまづく傾向が見られた。
また、得意・好きな教科についても、7~8割は小中学生で形成される傾向が見られる。一方で理系科目は高校1年生で自覚する割合が文系科目より高い。きっかけは「先生の授業」に加えて、数学は「解ける体験」、理科は「学問の面白さへの気付き」が大きな要因となっている。