2025年春に卒業予定の大学3年生らを対象にした企業の採用説明会が1日、解禁された。人手不足による学生優位の「売り手市場」が続いており、選考の早期化が進む。説明会の解禁前に既に4人に1人の学生が内定を得ているとの調査結果もあり、企業は学生確保にあの手この手で取り組んでいる。

政府が経済界に求める新卒採用日程では、説明会などの採用広報は3月1日、面接などの選考は6月1日が解禁日となっている。だが、採用活動の前倒しが進み、マイナビが2月上旬に行った調査によると、企業から内定を得ていると答えた学生の割合は24.9％と前年の14.5％から大幅に増えた。

学生をひきつけようと、入社後の待遇をアピールする企業も多い。

JTBは転居を伴う異動がない採用コースを用意している。共働きが当たり前となり、転勤がある職場を嫌がる社員が増えているためだ。野村証券は24年度から、入社3年目までの若手社員を対象に平均16％の賃上げを実施。初任給で2万円の引き上げとなる。マイナビの調査では、47.2％の企業が初任給の引き上げ予定があると回答している。