MENU

お知らせ What’s New

オンライン試験の導入進まず -高大教職員の意識調査ー17/10/2024

Asia ATP Japan SIGは2024年10月15日、高校や大学の教職員を対象にした「オンライン試験導入に関する意識調査」の結果を発表した。「オンライン試験導入に関する意識調査」は、オンライン試験の導入が進まない原因を学校側の目線から明らかにするために実施。対象は、学内試験に携わっている高等学校・大学の教職員103人。調査期間は2024年7月1日~2日。

 

現在のオンライン試験の導入状況については、78.6%が「導入していない」と回答。「導入している」は15.6%にとどまった。「導入していない」と回答した教職員を対象に「学内試験においてオンライン試験の導入を検討しているか」と尋ねた結果、「まったく検討していない」64.2%、「あまり検討していない」19.8%をあわせて、8割以上が検討していないことがわかった。「非常に検討している」は0%だった。

1_オンライン試験を導入しているか 2_オンライン試験の導入を検討しているか

 

「もしオンライン試験を導入するとしたら、不安を感じるか」との問いには、「非常に感じる」39.6%、「やや感じる」33.3%をあわせて、7割以上の教職員が「不安を感じる」と回答した。

ペーパー試験を続ける理由は、「学校内でシステムが完備されていないから」61.7%がもっとも多く、「学校内での合意が取れないから」29.6%、「学校内の予算が足りていないから」27.2%と続いた。自由回答では「職員のリテラシーにばらつきがある」「オンライン試験は不正が行われそう」など、43の回答が寄せられた。

一方、学内試験においてオンライン試験の導入を検討したきっかけは、「試験実施に要する業務が負担となったから」と「学校内のペーパーレス化が進んだから」がともに60.0%ともっとも高く、「ペーパー試験実施によるコストを削減したかったから」「作成した試験のミスの修正が大変だったから」がともに40.0%で続いた。

3_オンライン試験導入の検討のきっかけ 4_オンライン試験導入は不安か 5_ペーパー試験を続ける理由

 

試験の不正対策として、安心感のある対策方法は、「一斉受験をする」48.5%、「使用できる端末を制限する」41.7%、「Webカメラで監視をする」31.1%、「顔認証で本人確認をする」31.1%、「AIで不正を検出する」23.3%、「不正した際の罰則を記載した同意書への同意取得」23.3%、「問題内容をランダムで出題する」22.3%、「本人確認証の提示」16.5%の順に多かった。

試験の不正対策において、弱いと感じる対策方法では、「不正した際の罰則を記載した同意書への同意取得」29.7%が最多で、「本人確認証の提示」24.8%、「AIで不正を検出する」15.8%、「Webカメラで監視をする」14.9%、「顔認証で本人確認をする」12.9%、「問題内容をランダムで出題する」12.9%、「使用できる端末を制限する」11.9%、「一斉受験をする」6.9%と続いた。

6_オンライン試験不正対策 7_オンライン試験弱い不正対策

 

調査結果を受けて、Asia ATP Japan SIGは「オンライン試験の低い導入率の背景には、学校内でのシステム未整備や、従来のペーパー試験からオンライン試験への移行に対する教職員の不安感があることがわかった。また、オンライン試験未導入の学校では導入の検討も積極的に行われていないことから、オンライン試験のメリットの理解も進んでいないと考えられ、オンライン試験で不正行為を防止する技術や公平性を確保する技術などとともに、オンライン試験全般に関する理解を教育現場に広めることが重要であると考えられる」とまとめている。

 

今回の調査では、オンライン試験の導入が進まない原因を学校側、学生側それぞれの視点から実施している。学生は、利便性の高さなどにメリットを感じてオンライン試験の実施を希望する傾向がみられ、学校側と学生側の意識のギャップも判明している。

 

学生に対する調査はこちら