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COVID-19 教育危機 、いまだ23カ国で学校閉鎖続く(ユニセフ)04/04/2022

ユニセフ(国連児童基金)は2022年3月30日、「子どもたちは本当に学んでいるの?(原題:Are children really learning?)」と題した報告書を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、学齢期の子ども約4億500万人が暮らす23カ国ではいまだに学校が完全に開いておらず、多くの子どもたちが中途退学する危険性があるという。

 

報告書では、COVID-19のパンデミックおよびそれに伴う学校閉鎖が子どもたちに与えた影響に関する国別データと、パンデミック以前の子どもたちの学習状況に関する最新の分析を掲載。過去2年間で、1億4,700万人の子どもが対面授業を半分以上受けられなかったことが指摘されている。これは、世界全体で2兆時間もの対面授業の機会が失われたことになる。

 

また、報告書では、学習損失に関するデータに加え、学校が再開したあとも多くの子どもたちが学校に戻らなかったデータを示している。例えば、リベリアでは、2020年12月の学校再開時に公立学校の生徒の43%が戻らず、南アフリカでは、2020年3月から2021年7月にかけて、学校に通っていない子どもの数が25万人から75万人へと3倍に増えた。学校に通っていない子どもたちは、社会的に最も厳しい状況に置かれ、疎外されており、彼らは、読み書きや基本的な計算ができない可能性が最も高く、学校が提供するセーフティネットから切り離されているため、搾取や生涯にわたる貧困のリスクが高まると言われている。

 

学校に通っていない子どもたちがもっとも大きな損失を被っている一方で、32の国と地域では、パンデミック以前から学習レベルが非常に低く、パンデミックによる学習損失が状況をさらに悪化させている可能性が高いことを強調。

 

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは「最も疎外された子どもたちは、パンデミック以前から取り残されていた。パンデミックが3年目に突入した今、私たちは「普通」に戻るわけにはいかない。子どもたちを教室に呼び戻し、学習状況を評価し、遅れを取り戻すために必要な集中的な支援を行い、教師が必要な訓練と学習資源を確保することが必要だ。これらを行動に移さないことは、あまりにも高いリスクを伴う」と述べた。

 

「子どもたちは本当に学んでいるの?(原題:Are children really learning?)」(ユニセフ)